最近スーパーや牛肉通販でも見かけるようになったA5ランク。どうも牛肉の品質を表す格付けらしいが、詳しいことは知らないという人に、A5ランクの牛肉についてわかりやすくまとめました。
国産牛やブランド牛のA5ランク違いを知っておけば、より美味しいブランド牛を通販でお得に買うことができます。
当ページの目次
A5ランクとは?
国産牛と和牛の違いを知っておこう
スーパーに陳列されている牛肉は国産牛の表記が目立っています。
「国産牛イコール和牛ではありません」ので、簡単に説明しておきます。
国産牛とは、日本で肥育された年数が長い牛を産地に関係なく「国産牛」と呼んでいます。また、アメリカやオーストラリアで育った牛でも日本にいる時間のほうが長ければこれも国産牛と表示できます。国産牛は肉専用種とは限らずに、乳牛種のホルスタインの肉でも日本国内で飼育された牛なら国産牛肉となります。
そして国産牛の中でも和牛といわれるのは、【品種」を表します。つまり種牛が関係してきます。現在では農林水産省が発表している和牛と表示する場合には次の3つの条件をクリアするようになっています。
- 黒毛和種など食肉構成競争規約で「和牛」と認めている品種に該当すること
- 国内で出生し、国内で飼育された牛であること
- この2つの条件に該当することが牛トレーサビリティ制度で確認できること
また和牛は、日本の在来牛と外国産の牛を交配して改良された日本固有の肉用種となります。
現在、和牛と言えるのは「黒毛和種」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」の4種だけです。
黒毛和種
小型で成長の遅い日本の在来の牛に、明治時代、多くの外国種を交配・改良した黒毛の牛です。弾力があって柔らかい肉質に優れ、筋線維が細く、肥育すると脂肪が筋線維の間に細かく沈着した霜降り肉になります。鮮やかな赤身に乳白色の脂肪(サシ)が、霜降り状に入いります。一般的に「黒毛和牛」と呼ばれていますが、正式には「黒毛和種牛」であり、和牛の約9割を占めています。
褐毛和種
茶色の毛が特徴。熊本県や高知県で飼育されていた牛を交配・改良しています。脂肪の入り方は黒毛和種に劣りますが、丈夫で暑さに強いです、国内肉用種の約10%占めています。
無角和種
角がなく、足が短くて体全体が丸みを帯びてm比較的小さいのが特注。脂肪が筋線維に入りにくいといわれます。山口県萩市、山口県阿武郡で一体で飼育されています。国内肉用種の約1%未満。
短角種
青森・岩手・秋田で飼育されています。東北地方の南部牛にアメリカから輸入したショートホーン種を交配・改良して生まれ、毛は濃い赤褐色で大型牛です。肉質はキメが荒く、脂肪の入り方も黒毛和種にに劣ります。国内肉用種の0,5%~1%を占めています。
解説出典:登起波
画像出典:一般社団法人 全国肉用牛振興基金協会
ブランド牛の品質を評価する格付け
ブランド牛にどんなイメージを持っていますか?そもそも牛肉ランキングの根拠となるのが格付けです。
牛肉には「歩留等級」と「肉質等級」により格付けされます。この格付は牛そのもにされるのではなく、枝肉(骨がついた状態)となった肉質の状態でその枝肉につけられます。(画像参照)
歩留等級は、単純にいえば枝肉からどれだけ多くの可食部位が取れるかということで、おいしさを評価するものではありません。
肉質等級は、脂肪交雑、肉の光沢、肉の締まりやキメ、脂肪の光沢や質の4項目から評価されて、1~5の段階に格付けされます。ここでは5が最高評価となります。3が標準、4がやや良い、5がかなり良いということです。
A5ランクの基準や意味
つまり格付が高い牛肉ほどサシが多くキメが細かいとよくいわれます。
サシとは筋肉の脂肪組織であり、一般に脂肪組織は筋肉組織より軟らかいので、サシが入ると軟らかく感じます。さらに、脂肪は口の中で唾液腺を刺激して唾液をたくさん分泌させるのでジューシにー感じるということです。
では最近目にするA5ランクとはどういう意味があるの掘り下げていきます。
簡単に言えば次のとおりです。
A5のAを表しているのが「歩留(ぶどまり)
5を表しているのが「肉質」
【規格の等級と表示】
Aを表す歩留はA,B,Cの3ランクに分かれ、肉質は1~5まで評価されます。つまり「歩留」と「肉質」を組み合わせると最高A5から、最低のC1まで15ランクになります。こうした格付けは社団法人日本食肉格付け協会よって、食肉市場などで、全国統一の基準で認定されて消費者に届きます。
優良な牛肉通販会社では、下図のようなA5等級を証明証書をお届け時に同封しています。
こうして美味しいブランド牛を食べることができます。
日本食肉格付協会が定めた格付け
歩留の対象とな枝肉からどのくらい部分肉が取れるのかという重量比です。頭や皮、骨、内臓を取り除いた肉の塊です。仮に牛の体重が700kgだとして、と畜して枝肉になると400kg、そこから骨を抜いて300kgであれば、歩留は75%になるので、公益社団法人日本食肉格付協会が定めた基準値(下表)が72以上になるのでAに格付けされます。
牛枝肉取引規格・歩留等級計算式
歩留等級決定の歩留基準値は次の式により算出する。
歩留基準値=67.37 +〔0.130×胸最長筋面積(cm²)〕
+〔0.667×「ばら」の厚さ(cm)〕
−〔0.025×冷と体重量(半丸枝肉kg)〕
−〔0.896×皮下脂肪の厚さ(cm)〕
等級 | 歩留基準値 | 歩留 |
---|---|---|
A | 72以上 | 部分肉歩留が標準より良いもの |
B | 69以上72未満 | 部分肉歩留の標準のもの |
C | 69未満 | 部分肉歩留が標準より劣るもの |
なお、歩留基準値の加算対象となる肉用種とは、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種及び無角和種の4品種、並びにこの4品種間の交雑牛とする。 公益社団法人日本食肉格付協会より
美味しさに直結するのは霜降り(サシ)
肉質等級の区分は5区分であり、等級呼称は5、4、3、2、1まであって、「脂肪交雑」、「肉の色沢」、「肉の締まり及びきめ」、「脂肪の色沢と質」の4項目から格付けされます。もっとも重視しないといけないのが「脂肪交雑」です。この「脂肪交雑」をBMSと言いますが、肉の霜降り(サシ)の入具合を示すもので、肉質等級とは別に12の段階で評価されます。
下図のようにサシ(BMS12)が、サシがもっとも多く入った状態です。今までは霜降り重視で肉業界関係者では12が最高とされてきましたが、味のない霜降りのお肉は消費者に敬遠され、全般的に健康志向もあり、サシの入り具合にこだわる人が減っています。米沢牛専門業者の登起波さんでは、サシ7~10が一番美味しいといわれています。
【脂肪交雑の等級区分】
5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
---|---|---|---|---|
胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑がかなり多いもの | 胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑がやや多いもの | 胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑が標準のもの | 胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑がやや少ないもの | 胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑がほとんどないもの |
「脂肪交雑の等級区分】
等級 | B.M.S. No. | 脂肪交雑評価基準 | |
---|---|---|---|
5 | かなり多いもの | No.8 ~ No.12 | 2+ 以上 |
4 | やや多いもの | No.5 ~ No.7 | 1+ ~ 2 |
3 | 標準のもの | No.3 ~ No.4 | 1– ~ 1 |
2 | やや少ないもの | No.2 | 0+ |
1 | ほとんどないもの | No.1 | 0 |
この項の詳細は公益社団法人日本食肉格付協会のホームページをご覧ください。
A5ランクの牛肉は本当に美味しいの?
ちょっと矛盾するようですが、A5ランクの和牛はすべて美味しいかと言えばノーです。
人間の味覚、食感は個人差があり、どんな食べ物で100人が100人が美味しいというわけではないように、牛肉も同じです。
ここまで紹介してきたA5という格付けはあくまで肉の品質を評価するものです。
A5ランクのみを仙台牛と定義するものや、肉質等級A4以上を宮崎牛や佐賀牛・前沢牛と定義しており、例えば宮崎牛が美味しいとなるのはA4ランクになります。このようにA5ランクだけが美味しいとは限らないのです。
ただし、サシと赤みのバランスがとれたA5ランクの肉は美味しいの確かだと思います。
当サイトでもA5等級の牛肉を紹介しています。例えばA5等級の松阪牛ですが、「A5等級松阪牛が本当に美味しいのか取り寄せて食べた感想」を読んでください。そのおいしさがわかってもらえます。
A5ランクブランド牛のお値段比較
四大ブランド牛のA5ランク部位を食べ方に合わせてお値段を比較しました。
下記のお値段はすべての牛肉通販が同じでありません。当サイト掲載の牛肉通販から調査して表示してます。
また、諸般の事情により価格が変更になることもありますので、予めご了承ください。
松阪牛 | 米沢牛 | 但馬牛 | 神戸牛 | |
---|---|---|---|---|
すき焼き 2人前 | 肩ロース200g 13,000円~ |
肩ロース300g 6000円~ |
肩ロース200g 3,780円~ |
肩ロース200g 5,184円~ |
しゃぶしゃぶ 2人前 | 肩ロース×モモ200g 12000円~ |
モモ・肩300g 6000円~ |
赤身モモ220g 2,831円~ |
赤身もも200g 3,024円~ |
焼肉 | 上カルビ 200g 6,980円 |
上カルビ 300g 5500円~ |
カルビ300g 2,961円~ |
カルビ200 2,808円~ |
サーロインステーキ | 1枚200g 16,000円~ |
1枚200g 6600円~ |
1枚180g 4,519円~ |
1枚200g 10,368円~ |
寒い季節は極上のすき焼き鍋で、ほんのり温まってください。
寒さに強くなる栄養価も豊富な黒毛和牛の肩ロース、トロバラすき焼き用のお肉がお得なお値段になっています。